漫画は読んで楽しければそれだけで十分です。
しかし中には、「面白かったし知識も増えて得した!」というような作品があるのも事実。
この記事ではそんな面白くてタメになる漫画をご紹介します。
ジャンルは医療系、公式で無料公開している作品を厳選5作品。
2022年に完結したばかりの大人気漫画からニッチな名作もあり、医療現場の内情、知っておくと得な豆知識なども分かります。
また、厳選5作品が気に入った方へさらにおすすめとなる30作品もご紹介!
スポンサーリンク面白くてタメになる医療漫画ってどんなもの?
漫画を読むのはどんなときですか?
好きな漫画の新刊が出たとき、暇つぶし、現実逃避等々、様々なパターンがありますよね。
プレス・ニュースリリースを配信する「PR TIMES」では漫画を読むときについて次のようなデータを公表。
「日本人の2人に1人が1年に1冊以上はマンガを読んでいるという、まさしく日本がマンガ大国であることが分かる結果」
「「プラスの影響を受けたことがある」と回答をした割合は72.2%と7割」
PR TIMES公式サイト内「CCCマーケティング株式会社」の調査結果より引用
みなさん漫画を読み、しかもいい影響をもらっているようです。
ここで紹介する作品も漫画としてガッツリ面白く、いつの間にか自分の体のことや病院や介護などの知識も増えている一挙両得な医療系漫画。
厳選した5作品のあらすじ、見どころ、無料公開情報をまとめています。
ぜひチェックしていってください。
スポンサーリンク【2022年最新版】面白くてタメになる無料で読める医療系漫画5選!
それでは面白くてタメになる医療系漫画についてお伝えします。
次の5作品です。
- フラジャイル 病理医岸京一郎の所見
- はたらく細胞
- 37.5℃の涙
- ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~
- 精神科ナースになったわけ
次の項目であらすじや見どころ、無料公開情報をご紹介!
核心に迫るような内容は伏せます。
ただ、漫画の魅力をお伝えする都合上、多少のネタバレを含みますのでご了承ください。
スポンサーリンク本格医療ドラマを楽しみたい方におすすめ①『フラジャイル』
草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)
『フラジャイル』は細胞や患者の情報を診てあらゆる病気を診断する「病理」をメインとした物語です。
主要人物は病理部の3人。
- 人当たりはアレだけれど凄腕の病理医・岸先生
- 内科医から転向してきたやる気と誠実さといじり甲斐を持つ宮崎先生
- 怒りん坊エース検査技師の森井くん
ただ病理部に関わる人は多く、彼らもまた頼もしく、面白いです。
主要登場人物/部下に優しい(?)教授/ヤカラ風味の味方弁護士[1]草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)7巻冒頭登場人物紹介、16巻65話、19巻76話より引用
また、有能な岸やかつてラスボス的存在だった製薬会社の間瀬が遠慮なく能力を発揮すると味方も引いてしまうところが笑えます。
上司にドン引きする部下の図[2]草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)17巻69話、15巻58話より引用、赤丸は追記
医者が患者をどう診て、どう診断をつけているのかがちょっと分かるし、DNAやがん治療の章では未来の医療が垣間見えるところも興味深いです。
22巻でタイトル名「フラジャイル」(ちなみに単語自体は壊れやすい、もろいといった意味)を回収したので、作品として次のステップに進むことが予想されます。
今後はきっともっと面白くなるのでしょう!
>>フラジャイル大解剖<<
>>私的おすすめ巻は7巻<<
コンサル編(6~8巻)は、病院の経営改革と指揮者の父娘がメインの話。コンサル窪田によって病理部がピンチになってハラハラしていたら、3話で亡くなった小早川の楽譜がまさかの登場。7巻28話で失われたはずの音が奏でられたとき、ある人には思い出が蘇り、ある人には意志が宿り、やがて病理部の運命をも変えていく、ここの流れが最高です。
小早川の想いが闘病中の指揮者茅原によって蘇る名シーン[3]草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)7巻表紙、7巻28話より引用
>>掲載誌・受賞歴等<<
2014年8月号の「月刊アフタヌーン」(講談社)にて連載がスタートし、2022年現時点でコミックス既刊23巻。
2016年に長瀬智也主演で実写ドラマ化、2018年には第42回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。
>>無料で読めるところ<<
講談社が運営する漫画サイトおよびアプリ「マガポケ」、「コミックDAYS」、あとは以下のツイートにて単話がいくつか無料で読めます。
>>フラジャイルが好みならこちらの5作品もおすすめ
- すご腕ドクターをもっと見たいなら『医龍-Team Medical Dragon-』(乃木坂太郎作画、永井明原案、小学館)
- ドラマチック医療現場をもっと見たいなら『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰著、佐藤漫画製作所)
- シリアスと笑いのバランスが似ている漫画『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(泰三子著、講談社)
- 顕微鏡内のミクロな宇宙に魅せられたあとは『宇宙兄弟』(小山宙哉著、講談社)
- 才能が開花していくストーリーが好みなら『BLUE GIANT』(石塚真一著、小学館)
体の仕組みを楽しく知りたい方におすすめ②『はたらく細胞』
『はたらく細胞』は赤血球とか白血球、血小板といった体内の細胞が擬人化して働いている漫画です。
例えば元気な体に風邪のウイルスが入ってきたとき何が起こるのか、といったことが描かれています。
登場人物とストーリーを覚えることで自然と体の仕組みが分かるすごい作品です。
清水茜著、シリウス編集部監修『はたらく細胞 公式コミックガイド』(講談社)6,7pより引用
>>はたらく細胞大解剖<<
>>私的おすすめ巻は3巻<<
3巻では風邪やニキビといった人間にとっておなじみとも言えるトラブルが発生。ですが、細胞たちにとっては命がけの戦い。このギャップを知ると体内システムと細胞のありがたさを再認識できます。そして14話の白血球の奮闘&名言がかっこいいです。
清水茜著『はたらく細胞』(講談社)3巻表紙/3巻14話より引用
>>掲載誌・単行本巻数<<
「月刊少年シリウス」(講談社)にて2015年から2018年まで連載され、コミックスは全6巻。
>>無料で読めるところ<<
こちらもフラジャイル同様講談社作品なので、講談社公式アプリ「マガポケ」や「コミックDAYS」にて単話がいくつか無料で読むことができます。
ちなみに熱中症問題に注目が集まる昨今、ポカリスエット公式ツイッターでこの漫画のアニメ作品の「熱中症」の話が気前よく無料で公開されました。
>>はたらく細胞が好みならこちらの10作品もおすすめ
『はたらく細胞』は派生作品も多いです。
著者や掲載媒体は異なりますが妊娠した女性の体が舞台のもの、違法ドラックをやってしまった人の体が舞台のものなどもあります。
2022年現時点で確認できているのは次の10作品。
気になる方は上でご紹介したアプリでも配信されていますのでチェックしてみてください。
- 『はたらく細菌』『はたらく細菌Neo』(吉田はるゆき著、清水茜監修)…体内外のあらゆるところに存在する細菌にフォーカス
- 『はたらかない細胞』(杉本萌著、清水茜監修)…サボる赤芽球についてのお話
- 『はたらく細胞BLACK』(原田重光原作、初嘉屋一生作画、清水茜監修)…健康的な生活をしていない人の体内はまさかの「ブラック企業」!?なお話
- 『はたらく細胞フレンド』(黒野カンナ原作、和泉みお著、清水茜監修)…体内の殺し屋キラーT細胞が主人公
- 『はたらく血小板ちゃん』(柿原優子原作、ヤス著、清水茜監修)…止血のプロである血小板を幼児たちに擬人化
- 『はたらく細胞BABY』(福田泰宏著、清水茜監修)…赤ちゃんの体内の物語
- 『はたらく細胞LADY』(原田重光原作、乙川灯漫画、清水茜監修)…生理や妊娠といった女性特有の事象を描く
- 『はたらく細胞WHITE』蟹江鉄史著、清水茜監修…大人気白血球と後輩たちのドタバタストーリー
- 『はたらく細胞イリーガル』橋本カヱ原作、次恒一著、清水茜監修…茜アウトローな人間の薬物利用や刺傷時の体内を描く
介護と看取りのリアルを知りたい方におすすめ③『ナースのチカラ』
広田奈都美著『ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~』(秋田書店)
『ナースのチカラ』は訪問看護師たちの物語です。
年配の方や障害のある方の介護や看護の実情を描き、直近ではコロナ禍で医療現場がどう変わったのかにも触れています。
看護師同士の人間関係にも多少波があり、常に目を離せない展開がつづいています。
出てくる看護師全員に異なった魅力がありますが、特に注目して欲しいのがこの3人。
- 50歳越えで看護師になった幸代
- 腕があって正しいけれど弱みのなさが弱みな看護師・持田
- 彼女たちを見透かし、支え、育てるステーション所長・師長
特に師長のセリフはリアリティがあり、心に届くものがあります。
師長「人を助けたり人に与えたりすることでしか癒されない痛みというのがあるのよ」
広田奈都美著『ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~』7巻25話より引用
>>ナースのチカラ大解剖<<
>>私的おすすめ巻は3巻<<
将来のことを考えて訪問介護から介護施設に移った看護師の花ちゃん。ヒドい施設の現実を知り介護業界が怖くなるも、次に働くことになった介護施設で心ある介護に触れます。そして同じく業界で疲弊していた元同僚小澤をこの施設に紹介。ここで出てくる「手が温かいの」と話すシーンがいいです。この大切さ、尊さを多くの人に知ってもらいたいです。
3巻人物紹介/表紙/9話表紙(花と小澤)[4]広田奈都美著
『ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~』(秋田書店)より引用
>>掲載誌<<
月刊誌「フォアミセス」(秋田書店)にて連載していて2022年現在既刊9巻です。
>>無料で読めるところ<<
秋田書店公式サイトにて無料試し読みができ、漫画アプリ「ピッコマ」、「マンガBANG!」では単話がいくつか無料で読めます。
>>ナースのチカラが好みならこちらの5作品もおすすめ
- ナースのチカラの作者の作品をもっと読みたいなら『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(広田奈都美著、秋田書店)
- 「看護学」カテゴリでベストセラー『おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~』(のまり著、ぶんか社)
- クセのある医師や看護師をもっと見たいなら『オペ看』(ミサヲ著、人間まお原作、講談社)
- 理想を実力で掴もうとする医療従事者を読みたいなら『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(富士屋カツヒト医療原案、川下剛史著、コアミックス)
- やわらかなタッチ×看取り×看護師繋がり『お別れホスピタル』(沖田×華著、小学館)
日々を懸命に生き抜く育児戦士におすすめ④『37.5℃の涙』
『37.5℃の涙』は共働き、片親が増えている現代になくてはならない病児保育現場を描いています。
主人公は病児保育の新人保育士・杉崎桃子で、良くも悪くもちょっとズレたところがあります。
様々な家庭の内情とともに桃子が育った複雑な家庭環境についても明かされていく、読み始めたらつづきが気になって仕方ない作品。
朝比奈を始めとした職場の人たちは優しくて強い人ばかりで、朝比奈の娘の小春もキュート、キャラクターにも魅力満載です。
24巻人物紹介/24巻91話表紙(左から朝比奈、小春、桃子)[5]椎名チカ著『37.5℃の涙』24巻(小学館)より引用
この漫画を読んで保育の仕方はもちろん、家庭との距離の取り方にも保育士ごとに考え方があると再認識。
また、人と向き合うことは難しいからこそ共感し合えたときの喜びがあると心に染み入るように実感しました。
>>37.5℃の涙大解剖<<
>>私的おすすめ巻は8巻<<
優秀な姉と兄と比べられつつも優しくたくましく成長して病児保育士になった桃子ですが、中々過去のトラウマから逃れられません。しかし8巻でついに過去と決別!朝比奈が珍しく感情的になるシーンにときめきます。そして本当に愛してくれる相手に夢中になるのではなく、日々の仕事にもしっかり向き合う桃子の真面目さがとてもステキでした。
椎名チカ著『37.5℃の涙』(小学館)8巻表紙/8巻27話表紙より引用
>>掲載誌・受賞歴<<
月刊誌「Cheese!」(小学館)にて2013年から2022年まで連載(途中で一度連載終了)され、コミックスは全24巻。
2015年には実写ドラマ化し、2016年には第62回「小学館漫画賞」の(少女向け部門)受賞しています。
>>無料で読めるところ<<
公式サイト「SHOGAKUKAN COMIC」、漫画アプリ「LINEマンガ」や「ピッコマ」等でいくつかの単話が無料で読めます。
2022年に堂々完結した本作は、無料分を読むだけでも面白さが伝わるかと思いますが、できれば桃子たちの大団円も見届けてほしいです。
>>37.5℃の涙が好みならこちらの5作品もおすすめ
- 自信がない子が奮起するところをもっと読みたいなら『圏外プリンセス』(あいだ夏波著、集英社)
- 手がかかってもかからなくても子はカワイイ『コタローは1人暮らし』(津村マミ著、小学館)
- 親ではないし友達とも他人とも言えない同居関係『の、ような。』(麻生海著、芳文社)
- 医療と音楽で心揺さぶる産婦人科を読みたいなら『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ著、講談社)
- 児童精神科医が生きづらい人とともに生き方を見つけていく『リエゾンーこどものこころ診療所ー』(ヨンチャン原作漫画、竹村優作原作、講談社)
心のゆらぎに興味のある方におすすめ⑤『精神科ナースになったわけ』
水谷緑著『精神科ナースになったわけ』(イーストプレス)
『精神科ナースになったわけ』は身内の死によって心身のバランスを崩した女性太田が、心の問題に関心を持ち、OLから精神科の看護師になったところから始まります。
心療内科や精神疾患をテーマにした漫画はどうしても空気が重くなりがちです。
しかしこの作品はかわいらしい絵柄+感情をそこまであらわにしない表現のおかげか、「病気」というより「その人らしさ」に思いをはせることができます。
例えば常に帽子を被っている細木という患者が登場しますが、その人が放つ異臭よりも帽子を被りつづける理由、寄り添い方が丁寧に描かれています。
プロローグの太田/細木の現実を尊重する太田[6]水谷緑著『精神科ナースになったわけ』(イーストプレス)より引用
>>精神科ナースになったわけ大解剖<<
>>私的おすすめは2章<<
2章では妄想や精神科の先生たちににスポットが当たります。その中でちょっと変わった森田先生が心と体の不調がリンクしていることについてまさかの断言。太田さん同様、私の心にもその断言が刺さりました。そんな解釈があったとは…。心と体、自分と他者、切れない繋がりでどう距離を取るかが問題だとしみじみ思いました。
1巻表紙/2章で森田先生が突然のダッシュ、その理由は…?[7]水谷緑著『精神科ナースになったわけ』(イーストプレス)より引用
>>配信先・無料で読めるところ<<
コミックスは全1巻、2017年にてイースト・プレスより発行。
この漫画が発信された「マトグロッソ」というwebマンガサイトでも何話か無料で読めます。
>>精神科ナースになったわけが好みならこちらの5作品もおすすめ
- 精神科ナースになったわけの著者の作品がもっと読みたいなら『こころのナース夜野さん』(水谷緑著、小学館)
- とても分かりやすく読みやすい入院生活を描いている『精神病棟入院記』(岡野く仔著、まんだらけ)
- シンプルなタッチながら感情の動きがまっすぐに伝わってくる漫画『こころを病んで精神科病院に入院していました。』(安藤たかゆき著、KADOKAWA)
- 精神科に偏見のある人たちの心の病を丁寧に診ていく『Shrink~精神科医ヨワイ~』(七海仁著、月子著、集英社)
- 患者側の心、何が起こるのかを知りたいのなら『統合失調症日記』(木村きこり著、ぶんか社)
記事内でご紹介したサイト・アプリ
サイトで読める漫画もありますが、アプリの方が無料公開話数が多い場合があります。
\こちらもおすすめ/
スポンサーリンクまとめ
ここまで面白くてタメになる医療系漫画をご紹介、2022年最新版5選は次のとおり。
- フラジャイル 病理医岸京一郎の所見
- はたらく細胞
- 37.5℃の涙
- ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~
- 精神科ナースになったわけ
公式サイトやアプリなどの無料公開情報も記載しました。
いきなり購入はしたくないという方も多いかと思いますので、まずは無料で読んでみてください。
必ず何度も読みたくなるし、結末も気になるはず!
以上、「【2022年版】面白くてタメになる無料で読める医療系漫画5選!」をお届けしました。
スポンサーリンク脚注
↑1 | 草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)7巻冒頭登場人物紹介、16巻65話、19巻76話より引用 |
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↑2 | 草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)17巻69話、15巻58話より引用、赤丸は追記 |
↑3 | 草水敏原作、恵三朗漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(講談社)7巻表紙、7巻28話より引用 |
↑4 | 広田奈都美著 『ナースのチカラ ~私たちにできること訪問看護物語~』(秋田書店)より引用 |
↑5 | 椎名チカ著『37.5℃の涙』24巻(小学館)より引用 |
↑6, ↑7 | 水谷緑著『精神科ナースになったわけ』(イーストプレス)より引用 |
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